九子局1
攻めは分断にあり」が本局の方針です。



第1譜     13手  (通算1-13)



白    春山 勇プロ
九子  石田芳夫プロ
アマの普通の九子局(前出)では黒は石がつながるように打っていけば石が強くなるので良いと書きました。この九子局では白石を割って打てば自然に攻めになる方針で打っています。白石がつながれば強くなるのでそれを妨げるのです。

黒4は白1と白3の石を絶対連絡させないように打たれました。

黒6とツケて白3と白5を分断して出ていきます。(白1と白5の間を出るより白3と白5の間が狭いので効果が大きい)

黒10は無駄の無いキカしです。
黒12は白石を連絡させない方針通りです。

白13と打ってきました。
本局の方針を貫くには黒はどこへ打つのが良いでしょうか。
第2譜      12手   (通算14-25)
黒1が既定方針通りの一手です。
2の右の一間トビでも良いと思いますが、黒1は積極的です。(九子局2-23図参照)

白2は当然の手ですが黒3と分断作戦です。

白4に黒5が肝要な手です。もしこの手を他のところへ打つと2-1図のようにツケ切りでサバかれてしまいます。
2-1図

白12とツケてきました。
黒の次の一手はどこが良いでしょうか。
第3譜      12手   (通算26-37)
黒1のような強い手がなかなか打てません。つい隅の地を取ろうとして5とオサエてしまいます。
黒1、3と打ってあるために黒5、7と二段バネが有効です。黒1から7まで勉強になりました。

白8で9のところをキルと
3-1図

白は隅の地は確保できたけれど中の白はボロボロで上の図は採用できません。

黒11と白を分断することに徹しています。白12のツケに黒はどのように打ったらいいでしょうか。
第4譜       12手   (38-49)

黒は右辺を地にして白の中央四子との連絡をやむをえないとするか、右辺は破られても中央を重視するかの選択をしなければなりません。石田プロは中央を重視して黒1と打ちました。

白2とツケて右辺を破ろうとしました。

黒3がうまいツケです。白10まで右下隅の白は生きました。

黒11まで白を割いて打っているうちに、黒は中央が厚くなっていることに注目してください。

白12と打ち込んできました。黒はどのように打ったらいいでしょうか。





第5譜       22手   (通算50-71)
黒1の肩ツキで21の一間トビを打つと白は中央をかく乱するような手を考えてきそうです。黒1、3、5と黒のリズムは素晴らしいですね。中央に厚壮な模様が出来ました。

白6に黒は隅の地の確保か中央を厚くするかを選択して手段を考えなければなりません。黒7、9と中央を厚くする手段を選択しました。黒は一貫して中央指向です。

白14まで隅の地を与え生かしても決して惜しいことはありません。

白16には黒17、白18には黒19と手堅く応じて不安はありません。

白22と三々に入ってきました。
黒はどちらをオサエたらいいでしょうか。


第6譜       10手   (通算72-81)

黒1と広い方をオサエます。

黒3とオサエてから黒5が巧い手順です。

白は左下でも地を稼ぎました。
黒は中央がますます厚みを増してきました。真中に相当大きな地が期待できそうです。

石田プロは次の黒の一手をどこに打ったでしょうか。








第7譜       22手    (通算82-103)

黒1とオサエましたが、白2とキラレても大丈夫だという読みがあって打てる手です。

黒3、5、7と的確に応じておかなければなりません。

黒11は手抜きできません。手抜きすると下辺が破られてしまいます。
7-1図

黒は右上をどのように打ったらいいでしょうか。
第8譜       25手   (1o4-128) 白8コウ取る(5の上)




黒1とコウ含みの本格的な攻めの態勢に入りました。

黒7が形の急所でここを逃すとおかしくなってしまいます。

白8コウ取る

黒9と堅くツグところのようです。

「白12のとき、8-1図は隅をはっきり地にして妙味がない。」とは春山プロの弁でした。
8-1図

黒17、19は中央をまとめながらの攻めで、上辺が薄くなったのは仕方がありません。
第9譜       9手   (通算129-137)

白3の手は勉強になりました。白3では7のところへツイでしまいます。黒4で7と白の一子を取ったら
9-1図   黒3(1の下ツギ)

白6でコウでワタル手が生じます。

白9とツギました。
次の黒の一手は相当のヨミが必要です。強行に切断するか、安全策を取るか大変なところです。




第10譜      27手   (138-164) 白14コウ取る(5の上)
黒1と強行策です。1の点に白が打つとコウ生きになります。

アマは隅を読みきれないので安全策の2にする人が多いのではないでしょうか。
黒1、3と取りにいきましたが、白が最善を尽くしても隅は一手ヨセコウだそうです。

白4とすごいところへ置いてきましたが、黒5とコウ取りです。

白は8、10の手筋を使って白12を先手で打ってしまいました。攻め合いの時、先手で白12が打てたことは大変大きなことです。

隅の攻め合いはどうなるでしょうか。

第11譜     24手   (通算165-188)
白3は1の上にツグ(白石が表示されていますが)
白5コウ取る(2の上)
黒8コウ取る(2)
白11コウ取る(2の上)
黒14コウ取る(2)
白17コウ取る(2の上)
黒20コウ取る(2)
白23コウ取る(2の上)

黒24で下辺の白は死にました。









第12譜    26手 (通算189-214終了) 黒中押し勝ち
白5のハネが怖い手で、黒6とユルめずにオサえなければならない。ユルめると白は生きてしまいます。
12-1図

白8に黒は7の右にはツゲません。結局白は黒3子を取って生きてしまいます。

黒20のサシ込みで黒攻め合い勝ちです。

黒26で白の投了となりました。


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