四・五子局 次の一手

第1型〜第10型 第11型〜第20型
03/05/17  
第21型〜第30型
04/07/23
第31〜第35型
05/07/23


四・五子の置碁は、初段と高段者のハンデ戦です。また、もう少しクラスが下がると初段と四・五級のハンデ戦で
す。教える方も教わる方も局面が広くて大変面白い。しかも、上達の教材がいっぱいです。

第1型  黒番  解説
布石の第一段階で黒は積極策と消極策のどちらを選びますか。
第2型  黒番  解説

右辺の黒に対して白はボウシでおどかしてきました。白のボウシは怖くありません。白を攻めたい形です。
第3型  黒番  解説
右上隅の黒に白はカカッてきました。対応する定石はいろいろあって、どう打ってもよさそうです。しかし、ここはこの一手という最善の手を考えてみましょう。
第4型  黒番  解説

白1と両ガカリを打ってきました。部分の利益よりも、あとを戦いやすくする全局を考えての次の一手を考えてください。
第5型  黒番  解説

白1にヒラキました。左辺の白が治まったところで、視野は全局に向けられます。白の弱い石はどれでしょうか。
第6型  黒番  解説

白1にカカリました。四子局としての最善はわかりやすく、しかも働きのある手です。次の一手はどこでしょうか。
第7型  黒番  解説

白1にカカリました。右上は白一子を黒がハサんでいる形で、白が手抜きしています。今急いで打たなければならない所はどこでしょうか。
第8型  黒番  解説

白1は黒の一間トビのスソアキをねらっています。黒は根拠を心配するよりも、強気の攻めがいいでしょう。

第9型  黒番  解説

白1とツケたところです。右辺の黒一子へのきびしい攻めのように見えますが、実態は、白の苦し紛れの手です。黒は強く反発できます。
第10型  黒番  解説

白1にスベりました。上下の白からスベった形で、この一手で両方を治まろうというのはムシが良過ぎます。上下を分断する次の一手はどこでしょうか。



解説の部

1-1図  正解

黒1のハサミが次の一手です。一間トビの黒は中央に頭を出している強力な形ですから、白への積極的な攻めで働きます。右辺の白は生きにくいため、中に逃げるしかありません。


1-2図  追撃

白2と中に逃げると黒3の追撃が厳しい。黒は白を攻めながら右上の模様を広げる調子がつきます。また、白が4のボウシで黒の封じ込めをねらっても、黒5、7の反撃で白の苦しい戦いになります。


1-3図  消極策  問題へ

黒1は隅を守り次に下辺へ打ち込む狙いがあるので悪手とはいえませんが、白に楽をさせる緩着です。白2とヒラいて治まり形になれば、次に白は右上の星の黒にカカリを打つのが厳しくなります。黒の勢力圏がしだいに狭くなっていきます。
2-1図  正解

黒1のコスミが次の一手です。黒一子を中に逃げるというよりも、右下と中の白を分断して攻め立てるねらいです。

2-2図  中央分断

白2と右辺の白を逃げ出せば、黒3とオシ出して中を分断します。白4、黒5として白の弱い石は二つで黒は中に出ていくだけで強い石になっていきます。
2-3図  小さい  問題へ

黒1のカケは白一子を取りながら、右辺の黒一子を安全にしていますが、これでは右上の強い形と重複します。増やした地は小さい。
3-1図  正解

黒1の一間バサミが次の一手です。ここでは、上辺の星、右下の一間トビの二つの勢力を働かせるハサミが最善だと思います。
3-2図  大模様

黒の攻めをかわすには、白2の三々入りが普通の受け方です。黒3のオサエから7のケイマの封鎖が常型です。黒は大模様を作りました。
3-3図 白面白い  問題へ

黒1と平凡に受けると白2と右下にカカられて、一間トビのスソアキをねらわれます。右下は白が戦いの主導権を握っています。白が面白くなりました。
4-1図  正解

黒1とツケます。左辺には黒のハサミがあって、白を攻めています。そして、攻めている石にツケるのは白を固める調子を与えてタブーとされていますが、この場合は別です。白2から6と隅に根拠を作れば、左辺の白は黒の攻めをかわしたことになります。黒7、9が左辺のハサミが働いて白を封じ込めながら中の厚みを強力にして好手です。白が下辺で治まっても、黒15まで全局をリードしてわかりやすい戦いです。
4-2図  やや広い  問題へ

黒1も定石です。これは左辺の白を攻めるねらいです。以下黒11までが定石です。黒は左辺の白を取りますが、白12とカカッてやや広い局面になっています。




5-1図  正解

下辺や左辺の白は、黒からの厳しい攻めを防ぐヒラキを打っています。黒は根拠の乏しい右辺に目をつけて、あとの戦いを有利にします。黒2とコスミツケて、4とハサミます。白を攻めて、右上の黒地が固まります。黒2としてから4が大切な手順です。(黒2で単に4だと白は隅に食い込み安定してしまいます。)
5-2図  守り  問題へ

黒2とコスミツケ、4とサガりました。隅の三々打ち込みを防ぐ打ち方ですが、実利にこだわっています。白5のカカリが好点です。黒は隅の地を守るため6、8と打てば右辺は白の勢力圏になります。白への攻めが消えました。
6-1図  正解

黒2の一間トビが次の一手です。しごく当然の一手で、やさし過ぎると考えるかもしれません。しかし、黒2は次に厳しい攻めの手を見ている強い手で、白が一番困る受けでした。白3は下辺の守りです。白3で他の方面に回ると黒3の打ち込みで下辺の白が二分され、白の苦しい戦いになります。黒4のコスミツケが次の厳しい攻めになります。白5とノビ、黒6と攻めて、黒がいっぱいに働いた有利な戦いです。
6-2図  難しい戦い  問題へ

黒2にハサミました。厳しい戦いの手ですが、白3と右下に反撃されて、難しい戦いになっています。白9と下辺に根を下ろし、黒10と右辺に攻めかかりましたが、白21、更に25と攻められて、黒が反対に苦しくなっています。

7-1図  正解

黒2とツケて、右上の白一子を攻める所です。この白を生きるためには、右上の狭い範囲で苦しまないといけません。右下の黒は白から急な攻めを受けません。白3とハネ込んだとしましょう。黒4とキリ、6のツギが厳しい攻めです。白はシチョウ不利のため、7、9と右辺を破るぐらいですが、10の二子取りで黒が大変有利です。
7-2図  難しい局面  問題へ

黒2と右辺に打ちました。上下の白を分割して攻めていますが、白は右下に3の両ガカリで反撃できます。白9まで中に勢力を作り、右上は黒10の攻めを許しても、白11と下辺を広げてやや難しい局面になっています。

8-1図  正解

黒2のケイマガケがよい手です。右下の黒の根拠がなくなったとしても、中央に強力な厚みができれば、白は辺の小さい地で生きただけ、全局的には黒が有利です。白3と隅の三々に入ってくれば、黒4とオサエて、白一子を取ることもできます。10、12と右下の勢力を働かせ、右上の白への攻めで楽な戦いになります。
8-2図  黒不十分  問題へ

黒2のコスミはスソアキを受けた形ですが、白3と三々に入られて受けに困ります。黒4から8と下辺の白一子を分離しても、白9とワタッて、黒2が悪手になった形です。下辺の黒の厚みでは不十分です。
9-1図  正解

黒2のハネがきびしい反発です。同じハネでも、上と下、二つがあるため迷います。あとのヨミが必要になります。解決のヒントはシチョウのなるなしです。白3のキリはサバキを求める打ち方です。黒4とアテ、6のノビが常用の手筋です。白が7と右辺を渡れば、黒8と白一子をシチョウに取ります。中が厚くなれば黒は大優勢です。

9-2図  白成功  問題へ

黒2のハネは、白3のキリで白にサバキを与えます。上辺へのシチョウが不利ですから、黒は4、6と右辺を固めるぐらいです。白は右辺に厚い形を作り、白19に回って作戦成功です。



10-1図  正解

黒2が常用の筋です。同型中央に手ありといいます。上と下から中央に打っている白に、黒は2とツキアタッて、白にどちらを受けるかを選ばせます。「手を渡す」というテクニックです。白3と下のほうに受けると、黒4とオサエて上の白を分断します。白5と守れば黒6が堅実です。これで右上の黒地ががっちりと固まりました。
10-2図  黒失敗

黒2は右辺の白への攻めですが、白3と右上を受けられて失敗です。右上の黒が弱くなったため、黒4と守り、白5と下辺の大場に回られました。白7、9で右下に作った黒の勢力も働きません。白13まで白に打ちまわされています。



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