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特別解説石田芳夫九段の「無理手のとがめ方 教えます」が本局の方針です。

第1譜 3手(1-3)





四子 石田芳夫九段
白    小林千寿五段
特別解説 石田芳夫九段

黒2 単に受けるよりは、より積極的です。
次に白の両ガカリが眼に見えていますが、両方を分断して攻めようという厳しい方針にもとづいています。
 
白3の高いカカリを迎えて、黒の次の一手はいろいろあります。
1図なら最も普通の定石です。

 1図

第2譜  3手  (通算4-6)
黒1・黒3
定石のひとつです。
白の三々入りを一応拒否した打ち方です。
つまり、2図も置碁定石ですが、このように、簡単に三々を許すのを嫌うのが石田流です。
2図


黒は3のあと、白Aのサシ込みを待っていました。その図は白がまずくなります。(第3譜参照)

両ガカリへの必勝定石は?
問い 両ガカリされたときに、黒の選ぶ必勝定石のようなものはありますか?
石田「それは難しいですね。でも例えば3図のような型になれば黒必勝ですよ。」
問い では、白はそう打ってくれないのですね。
      そういえば4図のように白6とオシてくるようなプロの指導碁を見たことがあります。
       石田さんなら、黒1、3にはどう打ちますか?
石田「私なら、5図のように白4と三々にトビ込みますね。まあ、いい悪いははっきりしませんが、
       このあとかなり難しいでしょう。」 

3図
4図

5図

第3譜  3手  (通算7-9)

白1
ここの白を強化して、三々入りや、右下への打ち込みをねらいます。
この手で
6図の白1以下の型は白△の石を痛めて、白が問題です。黒6のアテが好手です。
6図

白は6の一路上のコウは、負けると全体の白がおかしくなるのでとてもねらえません。
黒2
黒の三々入りを封じています。

隅をサガった意味は何ですか?
問い 黒2のサガリとはしぶい手ですが、どんな意味があるのですか?
石田「それを省いていると三々に入られて、たちまち両方の白石を安定させてしまうのですよ。
       ホラ ! 7図〜9図の流れをご覧ください」
確認 うまい筋があるものですね、白は。
石田「ですから私が打った黒2の手をただ単に地がほしいんだなと思った人は落第です」
確認 四子局は厳しさが必要ということですね。
石田「そうです。隅の黒石が"地のために"では効果がうすく、攻めの為の基点として考えられます。」
問い ところで、実戦の白1で、すぐ同じような手段でこられたらどうなるのですか?
石田「10図でどうですか。黒悪くないですよ。」

7図
8図
9図
10図

第4譜    2手  (通算10-11)
黒10(絶対)
白☆にトビがくれば1のオシは絶対です。自然と白△が痛みました。黒▲の効果です。
これを省き、
11図の黒1の大場を打ったとしても、白2・4の封鎖を許すようなことがあってはいけません。
11図
第5譜  2手  (通算12-13)



黒1
Aとコスミツケる所ではありません。白Bへノビさすと黒▲の石を弱めますから。
次の一手
白2のあと、黒3はどう打ったでしょう。
第1ヒントとして12図は黒が大甘です。第2ヒントはプロの手。
12図
第6譜    4手  (通算14-17)
黒1(次の一手正解)
当たりましたか?
絶対ワタらせないぞという意思表示です。

黒3
見たことのないすごい手。

石田「上下の白石を分断し、徹底して攻めまくらないと60目は勝てません。」

60目宣言を実現させるためには、少しのユルミも許されないのです。









マネをしてもかまいませんか?
問い「6譜黒1、3なんていうすごい手は本にのっていないのですが、我々アマチュアがマネをしても
       かまいませんか?」
石田「普通の手ですよ。ちょっとでも白に楽をさせないためには、この一手です。もっとも
    13図白△には、と上にトンでも十分です。白2、4と打たせれば中の白が自然に弱くなり
    ますからね」
問い「6譜白4で14図のサガリはだめですか?」
石田「中級者用の図ですね。白3の手がない以上つまりません。黒どう打ちますか?}
答え「15図、黒1、3の両ヅケが手筋です。」
石田「お見事。白は絶対ワタれませんね。」

13図
14図
15図

第7譜  6手  (通算18-23)
黒1
"三子の真ん中"だからといって、一路上にトブのは間違いです。1の二路上のノゾキが利いているところだからです。
白2
中の黒を逆に攻めてしまおうという強気な態度ですが打ち過ぎでしょう。
どうやって上手(うわて)の無理手をとがめていくか。
さて、これからが参考になるところです。
黒3
こういう手こそ"一間トビに悪手なし"の好見本です。
黒5
味方の地をふやし、相手の根拠を奪う絶好点です。
これで白が苦しくなりました。
白6
打ち過ぎでしょう。こんなにがんばられたら黒は怒らないといけません。
次の一手
黒7を当ててください。
第8譜  5手  (通算24-28)
黒1・3(次の一手正解)
黒1とツケて頭を出すのが正解です。
白は弱い石が三方でき、黒は中央のひとつだけ。攻めの理想パターンに入りました。
本来、白△の石は自然消滅するはずの石、それを助け出そうというのですから千尋さん、なんともすごい力です。
白4
中央に逃げ出す前の手順です。









第9譜  3手  (通算29-31)
白1
動き出した以上、助けざるを得なくなりました。
普通なら16図の白1のトビぐらいですが、黒は2、4とゆうゆうトンでいてよいでしょう。
16図

第10譜  5手  (通算32-36)
黒1
このへんでノゾいておくチャンス。白を重くします。

黒3・5(手順)
黒3で5の外バネは白Aとハミ出されます。

次の一手
白6はどう打たれたでしょう。常識の一手です。できれば、数手先まで見当をつけてください。











急戦は黒の望むところですか。
問い だいぶ白が苦しそう。急戦は歓迎ですか?
石田「そうです。白が強引にきていますから、四子の碁としては差がつきそうですよ」
問い 我々アマだと中の黒が死んだりしておかしくなっちゃうんですが、プロはそんなことは?
石田「ないですね。ところで、この碁、私だったらこう打つなと、白の立場で考えていることが
       しばしばあっておかしな気分でした。四子も置いたのは少年時代以来ですからね」
問い そんな場面はどこですか?
石田「17図や18図がそのひとつですね」

17図7譜白2では1と打つ。aのボウシねらい

18図7譜白6では1と打つぐらい。白△は捨てる


第11譜  5手  (通算37-41)
白1(次の一手正解)
一本白1とノビ、2子にしてから捨てるのが白の手筋。
19図のように、ポン抜かせては黒の味がよくなり、下方の白のシノギにも影響してきます。
19図

黒2
黒▲とアテてからツグのも手筋です。
第12譜  5手  (通算42-46)
1から5
一本道で必然です。

白はと何とか顔を出し、黒は巧みにと中央の形を整えました。
しかし白は三方がらみの苦しい状況です。

さて、次の小林五段の打った手がちょっとおとなしすぎました。
今までがんばってきた流れとちぐはぐになってしまったのです。










第13譜  1手  (通算47)
20図のように一応封鎖しておけば、黒もすぐに切断しにくく(黒a白b黒c白d黒eもねらいですが)どこから行くか多少悩む所でした。

20図




第14譜  6手  (通算48-53)
黒1
ここにトビ出しては、黒の攻撃一方の感じ。

白2
同点に黒に打たれてはたまりません。

黒3・5
上方の白は一応治まり方。
黒はこの石にもたれ中の白軍をねらう要領です。

次の一手
白4・6はいっぱいのがんばり。
さて、黒7はどこから攻める感じでしょうか?







第15譜  4手    (通算54-57)
次の一手正解 黒1
見当。このへんが攻めとして、いい感じでせまっています。
黒3
省くと、21図のネライが来ます。
21図
時計回りに90度回転してあります。

二子にして捨てましょう
実戦にも出てきましたが、二子にして捨てる技術を覚えるとグーンと上達します。

22図 黒3=◎
23図 黒1=×

24図  黒5=◎


25図 黒1=×





26図  黒1=◎
27図  黒5=◎

二子にして捨てる効果はどこにあるか、じっくり色々な図をながめてください。

第16譜  3手  (通算58-60)
黒1・3
白に「生きなさい。生きなさい」と言っているわけです。好調な攻め。
下辺に膨大な黒の勢力ができあがりましたが、こういう獏とした現状ではいったい何目ぐらいの黒地が見込まれるものと考えたらよいのでしょう。
60手地点の形勢判断の仕方を次の28図で。












28図  石田流形勢判断を教えて下さい。

石田流形勢判断  黒60目のリードです。
白地は0
黒  +α 60目
問い このへんで、形勢判断のやり方を教えて下さい。

石田「戦いの碁ですから、地らしいものはほとんどありません。こんなふうに見積もるんです。
まず、確定地ですが、上辺の白地は右上の黒地とくらべて、少し多いけれど、ほとんど同じ。つまり両者0とみるんです」

問い そんなに大ざっぱでいいのですか?
 
石田「そうです。こことここが同じ。あそことあそこが同じという具合に同じくらいの大きさの所をくらべてゆけばすぐ差が出ますよ。
そうしますと、本局でも確定地は0ですから、あとは黒側の攻めから生まれるプラスアルファーを見積もればよいことになります。右下に弱い白△があることを念頭に、ザッと50目から60目とみました」

ずいぶんすばやい形勢判断(三秒ぐらい)ですねえ。
第17譜  3手  (通算6-63)

白1
白Aの切断ネライ

黒2
これをAとツグのでは働きがありません。ここで応えてAの切断を防ぐ、というのがプロ的な考え方。


小林五段は、21歳のとき女流選手権者になった。
愛称はチーちゃん。
海外への普及活動に意欲満々。











ワリコミもあったのですね
石田「実戦の第17譜白3で、29図白1のワリコミを防いでいるのが、黒▲の手の意味でした。
    30図のように黒4が先手切りとなっては白いけません。
    むろん白△はオダブツです。ただし・・・」
問い「変化があるのですね。」
石田「エエ。31図のように白3とここでアテてくると、32図のあと、黒a白b黒cと打つ以外の
    打ち方もありそうなので、黒考える所でしたね。この図は60目勝つのは大変だったかな」

29図
30図
31図
32図

第18譜  6手  (通算64-69)

黒3 
2の点に白がきたので打っておく必要があります。

白6
打ち過ぎと思われる一手。
白Aを打ってから6へ回るところでした。


















第19譜  6手 (通算70-75) 
黒1・3・5
機敏にノゾキを利かし、白の打ち過ぎをとがめます。
黒5に白6ともがかねばならなくなったのが差を広げた原因。


次の一手
次の黒の一手はやさしいでしょう。













第20譜  4手  (通算76-79)

次の一手は黒7でした。
黒7・9のワタリ止めが決め手。

白は10と何とか生き形を得ましたが、下方の白が7とスベる余地をなくしたのが大変だったわけです。
このあと、取りに行くとすれば黒Aですが白もBなどのノゾキがあり、死ぬことはありません。














第21譜  1手  (通算80)

黒1
このシマリで、白△か右辺の白六子のうちどっちかが助からないという思想。
ここでA付近にハサムと三々に入られ、とりあえず実利を奪われます。そしてネライが一本にしぼられます。
そんなことをきらったのです。

















第22譜  2手  (通算81-82)

白1
ほかに打つとすれば、33図の白1ぐらい。黒は2と裂いて打ちます。1でaならb。とにかく黒は両方の白を切ってさえいればよいのです。

33図













第23譜  3手  (通算83-85)
白1
この手で、34図は利かされ。

34図



次の一手
黒4はどこでしょうか。












第24譜  7手  (通算86-92)

黒1(次の一手正解)
急所のマゲ。

黒3・5
3ではAと中央を打っているのも好点ですが、別に急がなくても右辺とツナがる手は絶対ないとみているわけです。


















どんな手を予想されましたか?

問い 次の白の手はどんな手を予想されました?
石田 「そうそう、内心いやな気分を味わっていたのが、35〜37図の流れですね」
問い といいますと?
石田 「37図で黒▲三子を取られる形がいやなんですよ。
     もし右辺の白七子が取れなかったら大変だというわけです」
問い 取れそうですか?
石田 「まあね。60目近くは勝てそうです」

35図

36図

37図


第25譜  8手  (通算93-100)
黒2
白1は苦心の一手。
これには黒2と突き当たり、まず形をくずします。

白5〜黒8
一本道の進行です。
白はどうやってシノぐのでしょう。
次の一手にはしませんが、考えてみてください。














第26譜  5手  (通算101-105)
白1・3
サバキの筋。
勝負所です。
このあと黒には好手筋が望まれます。
38図のような露骨な手段が一番悪く、白6のあと、黒a白b黒c白dで黒トラレです。

38図


黒4
一番普通の手。

白5
手筋。

次の一手
黒6はどう打ったでしょうか。
普通型のAか?
それとも?
第27譜  4手  (通算106-109)
黒1(次の一手正解)
場合の勝着です。
勝負どころではピシャツと決めなければいけませんから。

白4
苦しくともアテる所。本来なら、
39図の後手生きぐらいですがつらすぎます。むしろ死んだ方がマシかも知れません。

39図






普通型はいけませか?
問い 27譜黒1の手で、普通にカカえるのはいけませんか?
石田 「40図ですね。悪くはありません。ただ白の注文通りなのでね。やはり、生きた碁としては
     私の打ったように変化すべきですね。
     地を突き破られるのを恐れてはいけません
問い 41図白△に黒1と抜く形はどうですか?
石田 「むろんあります。白2とアテてきますか。白にサバキの余地を与えていますね」

40図
41図

第28譜  4手  (通算110-113)
黒1
当然のツギ。
2に切ってコウにするのは危険です。

黒3
白を攻めるにはこの一手。

次の一手
さて、白4のあと、黒はこの一団の攻めを続行する前に、左下の白のイジメにかかりました。
するどいヨミ、黒5の一手をあててください。
できれば白6、黒7の三手まで!








右下の白もすぐ死にそうですが
問い 42図 右下の白は黒1といけばすぐ死んでしまいそうですが・・・?
石田 「そうですね。白2なら黒3のオキ一発で白どうしようもないですね」
問い どうして、すぐ取りにいかないのですか?
石田 「その前に中央黒を補強する意味です。つまり白△らの白石のどれかを
     確実に取りきっておく方が安全ですからね」
問い その取り方のヒントを教えてください。 
石田 43図のように正直に出切ってゆくと黒取られちゃうでしょう」

42図

43図

第29譜  7手  (通算114-120)
黒1(次の一手正解)
プロのするどい感覚。
普通は打ってはいけない手であることは勿論です。白2とツナガせ、黒3の出る手がトドメになっています。このあと、44図の白1とオサエる手は、成立しません。白の取られです。
44図

白4〜6
白としてはやむを得ない進行でしょう。黒はAのキリと白△四子の捕獲が見合いとなって補強十分。思う存分、右下の攻めが打てます。
黒7
この一手。
第30譜  5手  (通算121-125)
白1
黒▲と▲の間の弱点をねらう急所。
黒2
冷静沈着な応手です。むろん、45図白1以下の手段が白不成功であることを見抜きました。
45図

白3〜5
白のヨミ筋通りですが、黒はこれでよいのです。

次の一手
黒6をあてて下さい。有段者の方は七手先まで読みきってほしいものです。
第31譜  2手  (通算126-127)

黒1(次の一手正解)
黒1のキリからもっていくのが正解。
46図黒1とハネ出しますと、白の眼形がたちまち豊富になってしまうわけです。
46図

黒3・白4
当然の進行。
47図白1の方をツグのは、46図とくらべ、白に眼形がありません。
47図
第32譜  8手  (通算130-137)

黒1〜3

一本道。
第31譜黒1のキリから、ここまでをヨンだ方は、高段者級の実力でしょう。
一段落ですが、この結果、黒はAの五子取りとBのワタリが見合いで生き。
白14子が死んで、差は大きく開きました。

白6
白Cのオキから切断するねらい(後述)や、上下の白の生き具合をみた手。

黒7
約25目の取りきりです。
白8

味良く、地としても大きい。

次の一手
黒9はどこが味良く大きいヨセでしょう。
大きい手が四箇所ぐらい目に付きますが。
第33譜  3手  (通算138-140)
黒1・3(次の一手正解)
白から3とコスまれてヨセられるとの差は13目ぐらい。地としても大きいのですが、それ以上に48図の切断ネライを解消したのが大きい。

48図









第34譜  5手  (通算141-145)
白1
逆に黒に打たれて地にされるとの差は11目以上。

黒2・4
黒の権利。先手11目です。むろん、逆に白から49図のように打たれた場合を想定しての計算です。

49図 黒2手抜き






第35譜  3手  (通算148-148)
黒1
ここも10目以上にはつきます。

黒3のとき、小林五段の投了となりました。
勝負、勝負といき、投げ場を求めていたものと思われます。

148手完 黒中押し勝ち













このあと打てば何目差ですか?
問い 白は投了しましたが、このあと打つとすれば何目差ぐらいで終わりますか?
石田 「大雑把にヨセてみましょうか・・・50図。
     白1にわかりやすく黒2と受けて、白3のあとは上辺黒4、6のハネツギですか。
     そのあとも、わかりやすさをモットーに黒14までとして計算してみましょう」
問い ▲が黒、△が白の打つところとみるわけですね。
石田 「中央のボヤーッとした所は白に都合よく・・・でいいです。
     まず黒地。右上16目。左上10目。真ん中全体106目。合計132目ですね・・・
     次に白地。上辺9目。右辺4目。下辺3目。左辺一帯16目ぐらい。合計32目。
     差し引き100目ぐらいの差で黒の勝ちですね」

石田 「腰の据わった攻め方(守るべきは守り、チャンスとみたら積極的に)をするのが
      置碁上達のコツですね

50図


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